「偶然の審判」The Avenging Chanceアントニイ・バークリー

『世界短編傑作集3』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収
有名なミステリ『毒入りチョコレート事件』の元になった物らしい。その『毒入り…』は未読なのだけど、何人もの探偵がいくつもの推理を展開してみせる構成で、ミステリのパロディというか、アンチミステリになっているみたい。
この短篇はその長篇版の中のひとつの推理に過ぎないらしいが、思わせぶりに振る舞って最後の最後までもったいぶって真相を明かさない、スカした探偵は、十分ミステリ小説の探偵のパロディになってると思う。しかし、そのスカした態度故にサスペンスや、サプライズが生まれていることも証明していると思う。
世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)