ミステリ

「人を呪わば」 The Biter Bit ウィルキー・コリンズ

『世界短編傑作集1』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収 あり得ないほど間抜けなくせにプライドだけは異様に高い刑事。彼が捜査している盗難事件のトンチンカンな報告書から、事件の真相を読み取る警部の話し。コミカルな古典と言う感じだった。

「笑う肉屋」 The Laughing Butcher フレドリック・ブラウン

『まっ白な嘘』フレドリック・ブラウン 創元推理文庫 所収 トリック云々ではなく、不気味な肉屋の存在感とそれを取り巻く雰囲気の作り方がすばらしい。リンチというアメリカの暗部を扱った邪悪な話しと言う感じもするが。

「死んだネコの事件」"The Adventure of the Dead Cat" エラリイ・クイーン

ハロウィンパーティーがどんな物かピンとこないせいもあるかもしれないけど、何かごちゃごちゃとして、状況がわかりにくい話しだった。クイーンの長編を読んだときにはそんな印象は一度もないので、これは訳が悪いのではないか? この作品に限らず、このアン…

「小鬼の夜」"Night of the Goblin" タルミジ・パウエル

いわゆる、「無垢に見える子供の犯罪」タイプの小説。剃刀の仕込まれたチョコバーを誰かが、食べてしまうのかと思いそれを想像するのが恐かった。作中では大事に至らずほっとした。

「ハロウィーンの殺人」"Trick-or-Treat" アントニー・バウチャー

ちと無理がありすぎる話しかな。訳が良くないように感じられるのは勘違いか?

「ハロウィーン」"Haloween" アイザック・アシモフ

ダイイングメッセージ的な内容の話しはよほど注意して書かないとわざとらしい物になってしまう。これはギリギリかな… プルトニウム=ハロウィーン(悪の勢力が広まる日)というところがうまい。