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「電話番号」 The Telephone Number アイザック・アシモフ

『ユニオン・クラブ綺談』アイザック・アシモフ 創元推理文庫 所収 たった一言添えられた言葉から導きだされた答え。うまい。

「ボーダー・ライン事件」The Border-Line Case マージェリー・アリンガム

『世界短編傑作集3』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収 シンプルであるが故に面白い。

「密室の行者」Solved by Inspection ロナルド・A・ノックス

『世界短編傑作集3』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収 奇想的にも関わらず、シンプルな作品で面白い。

「堕天使の冒険」The Adventure of the Fallen Angels パーシヴァル・ワイルド

『世界短編傑作集3』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収 実話を元とにしているせいか、結構面白い。しかしトニイがあまりに浅はかすぎる。

「赤い絹の肩かけ」 L'Echarpe De Soie Rouge モーリス・ルブラン

『世界短編傑作集2』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収 ルパンのちゃんとした作品を読むのはこれが初めてだった。かなり面白かった。ルパンのガニマール警部に対するライバル的な友情を逆手に取る、古典的ながらもすっかり騙されてしまった。

「ダブリン事件」 Dublin Mystery バロネス・オルツイ

『世界短編傑作集1』編:江戸川乱歩 創元推理文庫 所収 小学校のころから名前だけは知っているが読んだことの無かった、「隅の老人」。解決もシンプルに決まっていて、出来がいいミステリ。 「隅の老人」と言えば昔読んだ、本で安楽椅子探偵と紹介されていた…

「終わりの日」"The Last Day" リチャード・マシスン 安野玲:訳

『地球最後の男』など、終末物で有名なマシスンの極めて感動的な終末もの。世界が終わるときに、どう終わりを迎えるのか? 結局男の発想としては、母性に包まれて迎えるしかないと言うわけです。

「ひる」"The Leech" ロバート・シェクリイ 浅倉久志:訳

寓話的な面白さは、いささか古い感じもするけど、”ひる”の存在が面白く、オチも効いているし、恐さもたっぷりある。

「輪廻」"The Circle" ルイス・シャイナー Lewis Shiner

面白い。このような永劫の時間を感じさせるタイプの話しは大好き。 タイトルが"The Circle"であるため、登場人物たちが永遠と同じことを繰り返すであることが暗示させられるのだけど、これは死よりも恐い状況だ。 しかし、原題"The Circle"を「輪廻」として…

「ハロウィーン・ガール」"Halloween Girl" ロバート・グラント

これも素晴らしい読後感の作品。悲しいがロマンティックである。さり気ないオチの付け方がいい。

「阿蘭陀すてれん」都筑道夫

読んでも読んでも読み終われない謎の本の話し。 タイトルの付け方、最後の落とし方、都筑道夫の絶品芸です。さすが。 本にまつわる謎というだけでゾクゾクします。

「現実創造」"The New Reality" チャールズ・L・ハーネス

訳:中村融 難解だが、人の認識によってのみ世界が作られているっていう不確定で不安なところをうまく小説にしていると思います。特にラストよって、今の自分のリアルと、小説内のリアルが逆転してしまう感じもすごい。

「ベムがいっぱい」"Wacky World" エドモンド・ハミルトン

訳:南山宏 僕自身の好きなタイプの物語、SF的だったり、怪奇的だったり、幻想的だったりするものが好きな理由の原点には、小学生のときに体験した4っつの作品の影響が大きく今に残っているからだと思います。一つめは光瀬龍の『作戦NACL』です。それ以後眉…

「生きている家」"The House Dutiful" ウィリアム・テン

訳:小尾芙佐 家はまさにいきているかのような家で、いわゆるお化け屋敷的な怪談のような感じで始まるのだけど、さすがSF作品だけあって、後にあっと驚く展開をもってくる。それも個人的なレベルの問題だけでなく、全世界を巻き込む辺りも面白い。怖さも怪談…

「美女ありき」"No Woman Born" C・L・ムーア

訳:小尾芙佐 絶世の美女といわれた、歌手でありダンサーであるディアドリは劇場の火事によって命を奪われたかに思われたが… という話し。 テクノロジーが進歩して行く中で、そのテクノロジーの影響で人間がどう変化して行くか? あるいはそれとどう対応して…

「星ねずみ」"The Star Mouse" フレドリック・ブラウン

訳:安野玲 「星ねずみ」は1942年に発表された短編。ちょっとイカレかけた博士とねずみと異星人の話し。 ここで起こった事件は、一見壮大でありながら、全て閉じているわけで、本書の解説にある通り「現代のおとぎ話」と言える作品だった。 これは新訳になっ…